セブツアーもあと2日です。
香港人との接し方は会得しました。とっととエントリーしてできるだけ長く水中にいればいいだけの話です。Tomoさんが気遣いをしてくれるので、ボート上でもげっそり感は特にありません。ただし挨拶だけはちゃんとします。挨拶するのと無視するのとではその場の雰囲気が違ってきますので。

本日最初に見たのは
Cyerce bourbonia Yonow, 2012。皆さんが「ハナビラウコロ」「ハナビラ」と呼んでいたやつですね。どうにも気になったので、ついに重い腰をあげてシエルセ属嚢舌類の分類を調べてみました。明日から別の仕事をしないといけないので、時間に限りがあります。ちょっと頑張ってみます。

これが原記載に載っていた写真です。説明を読んでも学名は
C. bourbonia で間違いありません(将来どう変わるかはわかりません)。
では和名は何か? と調べ始めて、自分の図鑑に誤同定発見。私の2019年の図鑑でC. bourbonir テンセンウロコとしたものと、Cyerce sp. ハナビラウロコとしたものは、ともにC. bourbonia でした。誤同定してすみません。では和名はどちらだろう。テンセンウロコウミウシでいいかと思いましたが、和名は流布したもの勝ちです。
ところが私は何が世間に流布しているのかを知りません。そこで初出にあたることにしました。まず小野篤司さんの『沖縄のウミウシ』(2004)に当たらないといけないのですが、この図鑑ではCyecre sp. 1 (ハナビラウミウシ)、Cyerce sp. 2(テンセンウロコウミウシ)のサブカット右側、Cyerce sp. 4(キホシウロコウミウシ)のメインカットがともにC. bourbonia です。
C. bourbonia ってどれのことだ?
より遡ってみたところ、殿塚さんの図鑑『ウミウシガイドブック3』には載っておらず。もしやと思って小野さんの『ウミウシガイドブック1』(1999)に「ハナビラウミウシ(新称)」と載っていました。Oh!これだー!
小野さんのこの図鑑は私が編集したのですが。すっかり忘れておりました。
つまり、初出にならうなら和名はハナビラウミウシです。私の改訂(ハナビラウロコウミウシ)が妥当ではないかと思いますが、流布したもの勝ちですので、まぁ今のところ、どっちでもいいんじゃないかと。和名にウロコがあったほうが、どのグループに属する動物なのかがすくわかって「これなんて名前~?」しか興味のない段階の人でも体系が理解しやすくなると思います。
ちなみに種小名bourbonia は、模式産地のLa Réunion島が関係します。フランスのルイ王朝の時代(Bourbons王朝)に因んでいるらしいですが、縷々説明するのはめんどくさい時間がないのでやめときます。知識欲の旺盛なNPO会員の人はメールマガジンか機関誌で縷々説明させていただきます。
学名や和名の由来を調べると、命名者の教養あるいは教養のなさ(笑)や、思考の傾向、過去にそのウミウシに関わった人たちのさまざまなドラマがわかっておもしろいです。