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当NPOの入会フォームから表題のウミウシについて、以下の質問をいただきました。
■インターネットウミウシ・オキナワヒオドシウミウシと言われるウミウシは正式名称または、どちらが正しいなどございますでしょうか? こちらどちらも言われているようでどっちがどっちなのかなど教えて頂けると幸いです。 ■こちらの名前はいつ頃から言われているモノでしょうか? 名前に関して何かあれば教えて頂けると幸いです。 お答えします! <インターネットウミウシ>は益田一「海洋生物ハンドブック」(1999)で提唱された和名です。 鈴木敬宇「ウミウシガイドブック2」小野篤司「沖縄のウミウシ」中野理枝「本州のウミウシ」でも採用されています。 <インターネットウミウシ>は冊子体上で提唱された和名です。命名者・命名年もわかっているわけで、そういう経緯からこれが正式な名称であるといってもさしつかえないでしょう。 が、アマチュアが命名したふざけた名前という印象があるせいか、今でも「仮称」「愛称」「俗称」などと誤解されているようです。 一方<オキナワヒオドシウミウシ>は、インターネット上で、誰が言い出したともなく、いつの間にか流布するようになった和名です。むしろこちらのほうが俗称扱いされて然るべきなのです。 和名には学名のような命名規約はありません。流布したモノ勝ちです。日本では魚類学会が標準和名について独自の命名規約を採用していますが、魚類以外の海洋生物の世界では、研究者が呼んだ和名がそのまま標準和名になったりしています。このあたりの事情は拙著「海に暮らす無脊椎動物のふしぎ」をお読みください。 ですが、いくら<インターネットウミウシ>という和名が変てこでも、ネット上でどこぞの馬の骨が適当につけた<オキナワヒオドシウミウシ>という和名を正式名称として扱うわけにはいきません。そんなことを許したら誰もが好きな和名をつけ放題になってしまい、「名前」が本来持つべき機能を果たさなくなってしまいます。りんごのことを「私は<なす>と呼びます」「僕はやっぱり<りんご>と呼びます」と言っているのと同じです。共通認識のためのツールとしての和名が、誤解を産むためのツールとなってしまいます。 そこで私は現在執筆中の図鑑で、この問題を解決するつもりでおります。いえ解決しますよ、すっきりと。 さてどうするか? それは図鑑を買ってのお楽しみ! 図鑑は6月4日(月)発売となりました。1436種掲載、544ページ、定価は5,500円+税です。 日頃から会の活動を応援してくださっている全ウ連の会員の方には、会員価格で販売させていただきます。 .
by ajoa_blog
| 2018-04-18 06:50
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